2021.10.27
浮気の時効について
過去にパートナーが浮気をしていたことが発覚したら、立ち直れないくらいの精神的ダメージを受けますよね。
当然ながら浮気をされた側は、その苦痛に対する損害賠償いわゆる慰謝料を請求できる権利があります。
でも、過去の浮気についても慰謝料請求できるの?具体的な期間は定められている?
今回は、そのような疑問を解決できるよう、浮気の時効についてご説明させていただきます。
浮気の時効とは?消滅期限について
そもそも浮気の時効とは、一定期間が経過することにより、パートナーおよび浮気相手に対して
慰謝料を請求できる権利を失うことをいいます。
浮気の慰謝料請求は、パートナー(配偶者)と浮気相手の両方に請求可能です。
ただし、その請求権については、いつまでも行使できるわけではありません。
時効つまり慰謝料請求権の消滅期限は、法律により定められており、
- 浮気の事実および浮気相手を知った時から3年間(消滅時効)
- 浮気の事実があった日から20年間(除斥期間)
この期間を過ぎてしまうと、慰謝料請求権は消滅すると決められています。
つまり、浮気の事実や浮気相手を知っていながらも、何もせずに3年が経過した場合や、
浮気があった日から20年以上の月日が経ってしまった場合には、慰謝料の請求ができなくなってしまいます。
ちなみに浮気の事実、浮気相手を知った時とは、
- パートナー(配偶者)が浮気を認める
- 浮気相手を特定できる情報(顔や名前、住所など)が分かる
このような場合に時効のカウントが開始されることになります。
逆を言えば、浮気相手を特定できていない時は、時効期間は始まりません。
慰謝料の名目によって起算日は変わる
浮気の慰謝料は、浮気そのものに対する慰謝料と離婚に対する慰謝料があり、それぞれで起算日が異なります。
パートナー(配偶者)に対して請求する場合は、
①浮気を知ったことで精神的ダメージを受けた場合の慰謝料
→浮気の事実や浮気相手を知った日が起算日
②浮気が原因で離婚したことによる精神的ダメージを受けた場合の慰謝料
→離婚した日が起算日。つまり、浮気の事実があった時から3年以上経っていたとしても、請求は可能
ただし、浮気相手に対しては②の離婚が原因の慰謝料は請求できません。
離婚に関してはあくまで夫婦間の問題であるため、たとえ浮気が原因だとしても、
特別な事情がない限りは請求できないことになっています。
浮気相手には、浮気の事実を知ってから3年以内に請求するようにしましょう。
時効を延長させることも可能!
浮気の時効は、基本的には3年間で、その期間内に請求権を行使する必要があることがお分かりになったかと思います。
ただし、被害者側の救済手段として、3年の消滅時効の期間を延長させることができます。
延長が行われると、その日を起算日として時効がリセットされ、再度そこから3年間の時効が始まります。
では、どのような方法で時効を伸ばすのでしょうか?その具体的な方法をご説明します。
1.内容証明郵便で催告
まずは、内容証明書を送付して、時効期間を延長することを催告(相手に対して請求すること)します。
その間に、提訴や相手から承認されることにより、時効期間が6ヶ月延長されます。
ただし、催促をさらに延長することは認められておらず、内容証明郵便を送付できるのは一度のみとなる点は注意が必要です。
2.債務の承認
浮気における債務とは、相手に浮気の事実を認めさせることです。
口頭での承認も有効ではありますが、言った言わない問題になると収拾がつかなくなってしまいます。
より有効性を保つため、なるべく書面で交わすようにしましょう。
相手が、浮気の事実を認めた日を起算日にすることができ、時効をリセットできます。
3.裁判で慰謝料請求する
裁判により慰謝料請求をおこなうと、一旦時効が中断され、その後判決が下された時点で、時効が10年に延長されることになります。
ただし、取り下げをしてしまうと時効が延長されませんので注意が必要です。
ここまで紹介した方法は、あくまで浮気の事実、浮気相手を特定してから3年の消滅時効を延長させる方法です。
浮気があった時からの20年つまり除斥期間を延長させることはできないので、浮気の事実を知った際は、早めに動きましょう。
まとめ
今回は、浮気による慰謝料請求権の時効について解説しました。
浮気の時効については、一定の期限が定められていますが、後回しにせずに、しっかりと当事者同士で話し合い、
納得いく形で解決できるように迅速な対応を心がけましょう!